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税務署長の冒険
一、濁密防止講演会〔冒頭原稿数枚なし〕
イギリスの大学の試験では牛でさへ酒を呑ませると目方が増すと云ひます。又これは実に人間エネルギーの根元です。酒は圧縮せる液体のパンと云ふのは実に名言です。堀部安兵衛が高田の馬場で三十人の仇討ちさへ出来たのも実に酒の為にエネルギーが沢山あったからです。みなさん、国家のため世界のため大に酒を呑んで下さい。」(小学校長が青くなってゐる。役場から云はれて仕方なく学校を貸したのだが何が何でもこれではあんまりだと思ってすっかり青くなったな)と税務署長は思ひました。
税務署長の冒険
二人の役人
その頃の風穂の野はらは、ほんたうに立派でした。
青い萱や光る茨やけむりのやうな穂を出す草で一ぱい、それにあちこちには栗の木やはんの木の小さな林もありました。
野原は今は練兵場や粟の畑や苗圃などになってそれでも騎兵の馬が光ったり、白いシャツの人が働いたり、汽車で通ってもなかなか奇麗ですけれども、前はまだまだ立派でした。
二人の役人
鳥をとるやなぎ
「煙山にエレッキのやなぎの木があるよ。」
藤原慶次郎がだしぬけに私に云いました。私たちがみんな教室に入って、机に座り、先生はまだ教員室に寄っている間でした。尋常四年の二学期のはじめ頃だったと思います。
鳥をとるやなぎ
北守将軍と三人兄弟の医者
むかしラユーといふ首都に、兄弟三人の医者がゐた。いちばん上のリンパーは、普通の人の医者だつた。その弟のリンプーは、馬や羊の医者だつた。いちばん末のリンポーは、草だの木だのの医者だつた。
宮沢賢治
北守将軍と三人兄弟の医者

よだかの星
朗読カフェメンバーの小松茉里さんにお願いした岩手の言葉によるよだかの星です。
よだかの星岩手の言葉による
注文の多い料理店序
わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。
注文の多い料理店序
ガドルフの百合
ハックニー馬のしっぽのような、巫戯た楊の並木と陶製の白い空との下を、みじめな旅のガドルフは、力いっぱい、朝からつづけて歩いて居りました。
それにただ十六哩だという次の町が、まだ一向見えても来なければ、けはいもしませんでした。 ガドルフの百合
よくきく薬とえらい薬
清夫は今日も、森の中のあき地にばらの実をとりに行きました。
そして一足冷たい森の中にはいりますと、つぐみがすぐ飛んで来て言いました。 よくきく薬とえらい薬
車
ハーシュは籠を頭に載っけて午前中町かどに立っていましたがどう云うわけか一つも仕事がありませんでした。呆れて籠をおろして腰をかけ辨当をたべはじめましたら一人の赤髯の男がせわしそうにやって来ました。 車
狼の森と笊森盗人森
小岩井農場の北に、黒い松の森が四つあります。いちばん南が狼森で、その次が笊森、次は黒坂森、北のはずれは盗森です。 狼の森と笊森盗人森
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