税務署長の冒険
一、濁密防止講演会
イギリスの大学の試験では牛でさへ酒を呑ませると目方が増すと云ひます。又これは実に人間エネルギーの根元です。酒は圧縮せる液体のパンと云ふのは実に名言です。堀部安兵衛が高田の馬場で三十人の仇討ちさへ出来たのも実に酒の為にエネルギーが沢山あったからです。みなさん、国家のため世界のため大に酒を呑んで下さい。」
北守将軍と三人兄弟の医者
むかしラユーといふ首都に、兄弟三人の医者がゐた。いちばん上のリンパーは、普通の人の医者だつた。その弟のリンプーは、馬や羊の医者だつた。いちばん末のリンポーは、草だの木だのの医者だつた。
紫紺染めについて
盛岡の産物の中に、紫紺染(しこんぞめ)といふものがあります。これは紫紺という桔梗(ききょう)によく似た草の根を灰で煮出して染めるのです
とっこべとら子
おとら狐のはなしは、どなたもよくご存じでしょう。おとら狐にもいろいろあったのでしょうか、私の知っているのは、「とっこべ、とら子。」というのです。
「とっこべ」というのは名字でしょうか。「とら」というのは名前ですかね。そうすると、名字がさまざまで、名前がみんな「とら」と云う狐が、あちこちに住んで居たのでしょうか。
カイロ団長
あるとき、三十疋のあまがえるが、一諸に面白く仕事をやって居りました。
これは主に虫仲間からたのまれて、紫蘇の実やけしの実をひろって来て花ばたけをこしらえたり、かたちのいい石や苔を集めて来て立派なお庭をつくったりする職業でした。
洞熊学校を卒業した三人
赤い手の長い蜘蛛と、銀いろのなめくじと、顔を洗ったことのない狸が、いっしょに洞熊学校にはいりました。洞熊先生の教えることは三つでした。
猫の事務所
軽便鉄道の停車場のちかくに、猫の第六事務所がありました。ここは主に、猫の歴史と地理をしらべるところでした。
作品名 | 作品に登場する植物 |
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銀河鉄道の夜 |
桜の木 いちの葉 紫いろのケール アスパラガス ひば ポプラ プラタナス すすき 芝草 リンドウ |
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なめとこ山の熊 | ひのき いたや 蕗 いたどり 菩堤樹の皮 あざみ ひきざくらの花 きささげの花 麻 稗 米 樺 栗の木 |
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注文の多い料理店 | 木の葉 |
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土神と狐 | いのころぐさ 女の樺の木 苔 からくさ みじかい蘆 あざみ せいの低いひどくねじれた楊 すずらんの実も赤く熟し 葡萄は紫 茶いろなかもがやの穂 |
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貝の火 | 樺の木は白い花 楊の白い花 鈴蘭にみんな青い実 白い草の根 青いばらの実 鈴蘭 つりがねそう ぶなの木 |
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紫紺染について | 紫紺・桔梗によく似た草の根 栗の実やわらび みず、ほうな、 しどけ、うど、しめじ、きんたけ アスパラガス ちしゃ |
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とっこべとら子 | 藁のつと |
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猫の事務所 |
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特になし | |||
ツェ鼠 | とうもろこし |
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セロ弾きのゴーシュ | トマト 甘藍 |
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洞熊学校 | かたくりの花 楢の木 つめくさの花 あざみの芽 松の木 籾 |
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蜘蛛とナメクジと狸 | 楢の木 松の木 |
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ありとキノコ | 羊歯 楢の木 |
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カイロ団長 | 紫蘇の実 けしの実 楢の木 とうもろこし すぎごけの木 けむりのようなかびの木 |
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オツベルと像 | 琥珀 沙羅樹 |
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氷河鼠の毛皮 | 羊歯の葉の形をした氷 ポプラ 唐檜 とゞ松 |
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山男の4月 | ひのき林 むらさきいろのかたくりの花 やまなし 松 |
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よだかの星 | 羊歯 若いすすきの葉 |
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雪渡り | 柏の木 |
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狼森と笊森、盗森 | 柏 すすき 葦 栗 松 粟 蕎麦 初茸 |
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よくきく薬とえらい薬 | バラの実 かやの木 唐檜 野バラ ドングリ |
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車 | きのこ 松林 おおばこ 麦はぜ |
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ガドルフの百合 | 百合 柳 |
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おきなぐさ |
おきなぐさ アネモネ きみかげそう かたくりの花 ポプラ 燕麦 ほたるかづら |
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まなづるとダァリア |
ダァリア 栗の木 |
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チュウリップの幻術 |
チュウリップ すもも 独乙唐檜 油桃 桜桃 巴丹杏 まるめろ |
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月夜のけだもの |
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ひのき林 | |||
出演者 | |||||
銀河鉄道の夜 |
ジョバンニ:萩 柚月 カムパネルラ:峰松 希匡 母 先生:中神 亜紀 ザネリ他 河相 陽子 |
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雪渡り |
こ狐の紺三郎:松田 真一(シグマセブン) 四郎:須藤 みほ かん子:新保 智子 |