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銀河鉄道の夜(前半)
するとどこかで、ふしぎな声が、銀河ステーション、銀河ステーションと云う声がしたと思うといきなり眼の前が、ぱっと明るくなって、まるで億万の蛍烏賊の火を一ぺんに化石させて、そら中に沈めたという工合、またダイアモンド会社で、ねだんがやすくならないために、わざと穫れないふりをして、かくして置いた金剛石を、誰かがいきなりひっくりかえして、ばら撒いたという風に、眼の前がさあっと明るくなって、ジョバンニは、思わず何べんも眼を擦ってしまいました。
ジョバンニ:萩 柚月 カムパネルラ:峰松 希匡
母 先生:中神 亜紀 ザネリ:河相 陽子
出演 協力:GoofTroop
銀河鉄道の夜(前半)
山男の4月
山男は、金いろの眼を皿のようにし、せなかをかがめて、にしね山のひのき林のなかを、兎をねらってあるいていました。
ところが、兎はとれないで、山鳥がとれたのです。
それは山鳥が、びっくりして飛びあがるとこへ、山男が両手をちぢめて、鉄砲だまのようにからだを投げつけたものですから、山鳥ははんぶん潰れてしまいました。
山男は顔をまっ赤にし、大きな口をにやにやまげてよろこんで、そのぐったり首を垂れた山鳥を、ぶらぶら振りまわしながら森から出てきました。
山男の4月
ガドルフの百合
ハックニー馬のしっぽのような、巫戯た楊の並木と陶製の白い空との下を、みじめな旅のガドルフは、力いっぱい、朝からつづけて歩いて居りました。
それにただ十六哩だという次の町が、まだ一向見えても来なければ、けはいもしませんでした。
(楊がまっ青に光ったり、ブリキの葉に変ったり、どこまで人をばかにするのだ。殊にその青いときは、まるで砒素をつかった下等の顔料のおもちゃじゃないか。)
ガドルフはこんなことを考えながら、ぶりぶり憤って歩きました。
それに俄かに雲が重くなったのです。
ガドルフの百合 |